東京タクシーでは需要を予測することで新橋駅の攻略戦略を練るなどしながら、一年を通した運営の企画などを測っています。東京タクシーが大切だと考えているのが流し営業で、流し営業は代々東京タクシーのドライバーたちによって担われてきました。その流し営業のデータをAIを活用することで、タクシーニーズの予想をすることが可能になりました。例えば、イベント情報や劇場情報などを組み入れたり、過去データ分析と解析を行ったりして、これからのシーズンに行われるイベントとその需要予測をすることができるようになったのです。
年度末はビジネス街にとっては大変忙しい時期でもあり、3月は予算の消化と次の予算獲得のため、会食なども増えます。この時期、限られた時間で仕事を行わなければならないビジネスマンたちのタクシーニーズの予想が可能でもあります。新橋もそうした攻略基点の一つで、このエリアはここ1、2年で変わって行っており、東京タクシーではそうした新しくなった新橋の流し方などをドライバーたちにレクチャーしながら攻略のための考え方を共有しています。
新橋エリアというと新橋駅のタクシー乗場をイメージするかもしれません。新橋駅のタクシー乗場は銀座や築地、汐留方面を利用する人が多いですが、乗車時間がかかるけれどもあまり売り上げにはつながらないと考えられているのです。ピンポイント的に活用するという方法で対処するということですが、代わりに東京タクシーでは新橋亭の元タクシー乗場を活用するなどの方策が共有されたりしています。時間ごとの動きを示し、時間帯ごとに具体的な動きを例に挙げて攻略法を共有するといった活動も行われています。新橋駅をピンポイントで攻略する場合には、深夜1時ごろのみといわれ、乗場つけのタクシーが極端に少なくなった時間帯だけおすすめとされるのです。
このような攻略方法は、AIによる需要予測を活用して示されるのですが、もともとはこれまでの流しのデータを基本としているものです。このような日本のタクシーの流し営業は世界からも大きく注目されており、流しから得られたデータをビッグデータとして活用することで、科学的な視点から季節ごとのイベントでの需要を予測することができるのです。この方法は古いけれどもとても斬新的な視点に基づいており、日本の個性的なタクシー運営の手法はこれからも引き継がれながら伝統として伝えられていくでしょう。